カシ地蔵

200902080305000.jpg
むかしむかし
あるところにカシと呼ばれる地蔵がありました。

いつも、ひとのこころを
なごやかにする そんな
どこにでもある地蔵でした。

あるひ、むらびとが、
カシ地蔵が、ななめにかたむいているのを はっけんしました。

むらびとは、いつも、なごませてくれている地蔵が
かたむいているのに
みなは、しらぬかおをしておる。

わしが、なおしてあげよう。

かたむいているカシ地蔵をひとりのむらびとが、
なおしました。

なおした、むらびとは、
むらのみんなに 地蔵のことをはなしました。

そのはなしをきいた、ほかのむらびとが おなかもすいているだろうと、ちゃわんに ごはんを。

たまには、おさけも と、ゆのみに おさけを。

さむかろうと くびにえりまきを。

ゆきで、あたまがさむかろうと、かさをつけたのでした。

カシ地蔵の かおが、
すこし えがおにみえたのを むらびとは みなよろこんだのでした。

それいらい、カシ地蔵は、みなから
あいされるのでした。

めでたし、めでたし。